リモートワークが浸透し、ビジネスにおけるコミュニケーションの「体温」を感じにくくなっている昨今。効率化が進む一方、モニター越しのやりとりが増えたことで、相手の熱意や細やかな感情を汲み取ることが難しくなったと感じる人も多いのではないでしょうか。
株式会社マツリカの新規事業責任者であり、『SalesTech大全』の著者である中谷真史さんは、顧客とのつながりを作る一つの手段としてギフトを活用してきました。
マツリカが顧客との関係構築で大切にしている考え方とはなにか。GIFTFULの活用で生まれた心温まるエピソードとともに、オンライン時代のコミュニケーションの本質を探ります。
(聞き手:GiftX 代表取締役 飯髙悠太 撮影・執筆:サトートモロー)
顧客との関係構築に。選び直せるビジネスギフト「GIFTFUL 法人プラン」
――中谷さんのマツリカ社における役割について教えてください。
中谷氏:
私は現在、「DealAgent(ディールエージェント)」というマーケティング・営業AIエージェント新規事業の責任者を務めています。マーケティングの見込み顧客獲得〜営業の商談機会創出において、AIが営業担当者に代わって業務を担い、自律的に営業プロセスを前に進めてくれるのが特徴です。
「DealAgent」は、姉妹プロダクト「DealPods(ディールポッズ)」の事業推進の中で生まれた構想をもとに誕生しました。「DealPods」は、1対1のパーソナライズされたコミュニケーションをデジタル上の仮想空間で行う「デジタルセールスルーム」です。「DealAgent」ではAIの力を活用することで、1対1ではなく1対Nのコミュニケーションをパーソナライズできる営業・マーケティングツールとして新たに開発しました。
リリースから2ヶ月ほどですが、非常に良い手応えを感じています。
――テクノロジーの力で顧客接点のあり方を進化させようとしているのですね。マツリカはお客様との関係構築において、どのような点を大切にしていますか?
中谷氏:
当社は「創造性高く遊ぶように働ける環境を創る」というビジョンを掲げています。仕事をつまらないものと捉えるのではなく、人生の一部として、まるで趣味に熱中するように楽しめる環境を作りたい。そしてお客様にも、マツリカの社員と接する一つひとつの体験を通じて、このビジョンの片鱗を感じていただけるよう努めています。
しかし、近年はそれが難しい場面が増えてきたと感じます。きっかけは、コロナ禍によるDX推進に伴うWeb商談の増加です。私は長らく対面での営業をしてきたため、Web商談が増えたことで営業自体の難易度が上がったと感じています。
例えば対面であれば、場の雰囲気や相手の些細な反応を察知して、それに合わせて柔軟に対応しお客様とよい関係を築くことができます。画面一枚を隔ててしまうと、相手の「体温」のようなものが感じられず、心が通わせづらい場面が増えた気がします。
――オンラインでのコミュニケーションの限界ということでしょうか。
中谷氏:
チームラボの猪子寿之さんがある時、「アートはレンズを通した瞬間に、視点が固定され身体を失う」と語っていたのを覚えています。Web商談でも、まさに同じ現象が起きていると感じます。
戦略的に訪問したり会食を設定したりすることもできますが、常に選択できるというわけではありません。オンライン上のコミュニケーションが増えた今、能動的に相手と「温かいつながり」を生み出す方法はないだろうか。そこで思いついたのが、ギフトを贈るという行為でした。
――マツリカはそれまで、お客様にギフトを送るなどの習慣はあったのですか?
中谷氏:
はい。例えば地方のお客様を訪問する時は、必ず手土産を持参するようにしていました。渡し方にもこだわっていて、「なぜお客様にそのお土産を選んだのか」というストーリーを添えるようにしていましたね。
「〇〇で有名なお菓子でして、その会社の思想が御社の理念と通じるものがあると感じたので、ぜひお渡ししたくて」といった具合に。自社の商品やサービスを売るよりも、まずは手土産の魅力を伝える。それくらいの意識を持っていました。
――ストーリーを語ることで、手土産と相手との結びつきをより感じられるようにしていたのですね。当時、そうした手土産選びで課題はありましたか?
中谷氏:
正直なところ、事務的な部分でとても面倒でした……(笑)。特に大変だったのが経費精算です。事前に購入予定の商品について申請して、購入して、領収書をもらう。そして月末の経費精算。一連のオペレーションがとにかく煩雑でした。
この点において、GIFTFULは非常に使いやすいと感じました。一言でいうと、「現場の苦労を熟知している大人のサービスだな」と。商品の購入については後日まとめて請求書で処理できるため、自分で領収書などを管理する必要がない。業務オペレーションのことが考え抜かれていると感じました。
――ありがとうございます。実際に顧客との「つながり」を作るためにGIFTFULをご利用いただく中で、お客様とどのようなコミュニケーションが生まれていますか?
中谷氏:
それに関しては、象徴的なエピソードがあります。ある商談で、担当者の方にGIFTFULをお贈りしたんです。すると後日、担当者様からこんなメッセージをいただいたんです。
「先日はありがとうございました。うちの取締役もすごく好印象だったので、前向きに検討を進めています。決裁プロセスが完了するまで、少々お待ちください」
――それは嬉しい報告ですね。
ええ。「ギフトを贈る」というたった一つのというアクションだけで、自発的に社内動向を共有してくれる関係になれた。これは営業として非常にありがたいですし、それを生み出せるGIFTFULにものすごい価値を感じました。
私はよく、社内のメンバーに「お客様とVS(対立)の関係になるのではなく、「US(私たち)の関係を築こう」と伝えています。同じ仲間として共通のゴールを目指す、そんな関係になる上で、GIFTFULは非常に有効なコミュニケーションツールになっています。
――他に、GIFTFULを活用して印象的だったことはありますか?
中谷氏:
実は、採用でもとてもハートフルなストーリーが生まれています。ある候補者の方が内定承諾の最終フェーズに入り、奥様に転職の意思を伝えるという状況に入りました。そのタイミングで、私たちはこの候補者(ご家族宛)にGIFTFULでギフトを贈ったんです。
これは決して、「物で釣る」ことを目的とした行為ではありません。候補者本人はもちろん、ご家族の皆さんに対する心遣いを伝えて、私たちは決して怪しい会社ではないので安心してほしいというメッセージを伝えたかったんです。
実際に、ギフトには「奥様もなにかあれば、いつでも当社へ遊びにきてください」というメッセージを添えました。
結果として、候補者の方が入社を決めてくれたのはもちろん、奥様からも丁寧な感謝のメッセージをいただきました。旦那様の入る会社が、奥様にとっても「私も知っているあの会社」になるという体験を作れたことは、非常に嬉しかったです。
――ご家族の不安を解消し、応援してもらえる関係を築けたのですね。
中谷氏:
ギフトを贈る以外にも、会食などいくつも方法はあると思います。大事なのは、恩を売ったり物を釣ったりするという発想ではなく、相手への誠意の気持ちの表れであること。この本質を忘れなければ、きっと相手と良い関係を築けると思っています。
――最後に改めて、営業や採用活動においてギフトを贈るという行為について、中谷さんが大切にしていることを教えてください。
中谷氏:
私が主張したいのは、ギフトは「(受注や採用を)決めてもらうため」の道具ではなく、「ここから良い関係を始めるため」のきっかけであるべきだということです。
ここを間違うと、賄賂のようなギフトの“悪用”につながってしまいます。採用時のお話でもお伝えしたように、心遣いの気持ちがギフトという手段に表れていることが大切です。オンラインで人の体温が感じにくくなった今だからこそ、心遣いを形にして届けることが、相手との間に温かい関係を築くための近道になるはずです。
――中谷さん、ありがとうございました!
GIFTFULでは、今後も様々な法人の贈り物シーンに伴走し、企業がお客様や従業員に"選ばれるきっかけづくり"を支援してまいります。
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