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ひとの温かみを宿した進化を。 ソーシャルギフト「GIFTFUL」に込めた共同創業者二人の想い
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ひとの温かみを宿した進化を。 ソーシャルギフト「GIFTFUL」に込めた共同創業者二人の想い

2023/10/17 更新
その他
ひとの温かみを宿した進化を。 ソーシャルギフト「GIFTFUL」に込めた共同創業者二人の想い


2023年4月25日、株式会社GiftXは選び直せるギフトサービス「GIFTFUL」をリリースしました。

GIFTFULには、創業者である飯髙悠太、石塚悠悟が目指す「ひとの温かみを宿した進化を。」という想いが込められています。

GIFTFUL最大の特徴は、「選び直せるギフト」というコンセプトです。GIFTFULとはどんなサービスで、選び直せるギフトには二人のどんな願いが注がれているのか。起業へと至った二人のルーツもたどりつつ、話を聞きました。

飯髙悠太

ベーシック執行役員、ホットリンク執行役員CMOを経て2022年6月に株式会社GiftX創業。複数のWebサービス・メディアの立ち上げや100社以上のコンサルティングを経験。自著は「僕らはSNSでモノを買う」、「アスリートのためのソーシャルメディア活用術」、「BtoBマーケティングの基礎知識」。


石塚悠悟

大学卒業後、コンサルティングファームであるデロイト・トーマツ・グループ、PwCグループにてコンサルティング支援に従事。ホットリンクに参画後、執行役員として新規事業開発を含めた全事業、経営企画、コーポレート領域を統括。その後2022年6月に株式会社GiftXを創業。


今、起業するしかない


――二人とも、前職では同じ上場企業の執行役員という、やりがいのあるポジションを務めていましたよね。それなのに、なぜゼロから起業しようと決意したのですか?

飯髙:
動機はいくつかあります。なかでも強かったのは、「もっとかっこよく生きたい」と思ったことです。

今まで、たくさんの会社でたくさんのチャレンジをさせてもらいました。でも、「リスクテイクして、本気で大きなことに挑戦し続けられているのか」と自問自答すると、ハッキリ「Yes」とは答えられない自分がいて。人のふんどしで相撲を取るという感覚が、否めなかったんですよね。

そんな思いに対して、「起業の覚悟ができた」というのがターニングポイントだったと思います。起業への想いは、20代から抱いていました。転職など節目節目で考えてはいたけれど、ここにきて覚悟が決まったというか。

飯髙アップ横顔

――なぜ今覚悟がきまったのでしょうか?

飯髙:
年齢的な要因が大きいです。私は創業時36歳でしたが、40歳を間近に考えた時、「このままでいいのかな」と思ったんです。サラリーマンとしては、とても幸せな人生を送っていけていただけに、このまま40歳を迎えたらこの心地よさを抜け出せない気がして。悠悟(石塚)と話をするうちに、この機会を逃したらもうチャレンジできないと考えました。

さらに、「自分の可能性を試したい」というのも大きな動機になりました。ゼロからプロダクトを作るというチャレンジを通じて、本気で挑戦したらどうなるのかなという想いが、起業を後押ししました。

――石塚さんはいかがですか?

石塚:
前職のホットリンク時代に注力していた主力事業の転換が軌道に乗って、ひとつの区切りがついたというのが転換点になりました。安定的な基盤で事業・組織をさらに大きくするよりも、リスクを取ってゼロからの価値創出・事業創出にチャレンジしたくなったんですよね。

そもそも、私は学生の頃から「いずれ起業したい」と思っていました。ただ、起業はあくまで手段でしかありません。世の中に新しい価値を生み出せるような、サービスや事業の構想ができたら、起業しようと思っていたんです。

結局、それが何かわからないまま、気づけば社会に出て10年以上が経っていました。そして私は、ある結論に至ったんです。

「構想が先で起業の意思決定が後ではなく、意思決定が先なのだ」と。

もちろん、この考えは人によって異なると思います。少なくとも私は、まずは起業すると決めて、ゼロからやっていくことが先決だと考えました。それくらい追い込まれた状況じゃないと、本気で「世の中に価値を提供する」という想いに向き合えないなと。

――なぜ今回、石塚さんは飯髙さんと二人で起業しようと思ったのでしょうか?

石塚:
ひとつ目は、お互いの強みがうまくかみ合うと思ったから。
ふたつ目は、シンプルに仲がいいから(笑)。
三つ目は、約4年間前職で一緒に仕事をする過程で、事業を成長させたという成功体験を持っているからです。

あとこれは、言語化が難しいんですが…。起業してつらい時期があったとしても、飯髙となら楽しく前を向いて過ごせそうだと思ったのが最大の理由です。

飯髙・石塚談笑

飯髙:
私もほぼ同じです。それに加えて、悠悟(石塚)に「今起業するしかない」と誘われたのも、起業の決め手になりました。

仕事で「何か一緒にやりましょう」と言われたものの、結局それが結実しないなんて日常茶飯事じゃないですか。でも悠悟は、定期的に会っては「どんな事業にするか」「どんな価値を社会に提供するか」ということから、着々と起業に向かって話をまとめてくれて。そのひたむきな言葉と行動力に、私も突き動かされました。

デジタル化で失われつつある「人の温かみ」を、ギフトで取り戻す


――今回リリースした「GIFTFUL」は、どんな背景で誕生したサービスなのでしょうか?

石塚:
きっかけは、コロナ禍によってプライベートも仕事も劇的に環境が変わったことです。なかでも大きな変化は、デジタル化が急激に進んだことではないでしょうか。

会社に出社してお客様を訪問する日常が、今ではリモートワークやオンラインミーティングが当たり前になりました。通勤やお客様訪問に要する時間も、有効に使えるようになりました。デジタル化によって、効率化や生産性は大きく向上したと思います。

一方で、世の中が便利になっているのにも関わらず、私や周囲の人々、ひいては社会全体の幸福度が上がっている実感がありません。人間性や人とのつながりといった、デジタルで補えない部分が希薄化してしまった気がするんです。

コロナ禍以前から、人間関係が構築されていた人は、コロナ禍になってもそれほど影響はありませんでした。問題は、コロナ禍以後で新しく関係を築いていく必要がある際です。例えば、会社に新しく入社したメンバーに関して、業務に支障はないものの、相談しづらかったり悩みを打ち明けづらかったりして。孤独からメンタルが沈みがちになってしまうというシーンを、何度か目にしてきました。

デジタル化は不可逆だし、私はもっとデジタル化が進み、世の中が便利になるべきだと思いますが、それだけではダメだと思うようになりました。デジタル化と同時進行で、人間らしい温かみのある関係性を促進することで、真に人の幸せや豊かさにつながる未来が訪れると考えたんです。

この領域にアプローチしている企業は少ないと思いました。だからこそ、私たちが取り組む意味があるなと。そして生まれたのが、GiftXの「ひとの温かみを宿した進化を。」というミッションであり、会社の第一歩となるサービス、GIFTFULです。

石塚アップ横顔

飯髙:
デジタル化によって、今でも十分なくらい世の中は便利になったじゃないですか。今もChatGPTが生まれたり自動運転の技術がどんどん進歩したりしている。こうした技術は間違いなく、社会を前に進めていると思います。一方で、便利さだけでは社会や人は豊かになれないという想いもありました。

人は本来、人の温かみに感動したり、人の想いに寄り添ったりする生き物です。
そうやって、人への「ありがとう」があふれる世界というのは、想像するだけでワクワクします。

「GIFTFUL WORLD」と言ったらいいのでしょうか。
私たちはそういう社会を実現したくて、GIFTFULを始めようと思いました。

――デジタル化という流れに対して、石塚さんと飯髙さんだからこそできる領域を見出した結果が、GIFTFULなのですね。そこからなぜ、「ギフト」に着目してサービスを開発しようと思ったのでしょうか?

石塚:
幸せを感じた瞬間や嬉しい瞬間はいつか考えた時、その瞬間にはいつも「ギフト」がそばにあるなと感じたからです。ギフトは直接、相手を思う気持ちを伝えられる手段ですから。

ギフトサービスは日々進化していて、便利さを増しています。その一方で、ギフトシーンには解決されていない負の側面や課題もあります。

例えば、ギフトには未だに解決されていない「受け取り側の悩み」が存在します。ギフトをもらったのは嬉しいけれど、「もらったけれど使わないモノだった」「何をお返しすればいいだろう」といった悩みに直面するというものです。

ギフトを贈る側にも悩みがあります。
私自身の実体験ですが、ギフトを誰かに贈ろうと思った時、こういう悩みによく出くわしました。

「相⼿の好みがわからないので何を贈ったらいいか分からない」
「⾊々考えた末に、結局ありきたりなギフト商品になってしまった」
「悩んだ結果、何を贈ったらいいか分からず贈ることを辞めてしまった」

こうしたギフトでの残念なシーンがまだまだあると思い、それを解消できるギフトサービスを作ろうと決めたんです。

飯髙:
モノにあふれかえっている現代では、何を贈るのが正解かが分からなくなっています。デジタル化で相手と物理的な距離が生まれ、それを知る機会も少なくなりました。

子ども時代の誕生日を思い浮かべてみてください。親が子どものお祝いをする時間には、無償の愛が存在しています。今こそ、親子の誕生日会のように、相手を思いやることの重要性に、立ち返るべきなのかなと。

ギフトにとって最良の状態は、贈り手の想いが届くことと、受け取り手にとって本当に嬉しいギフトであることです。これらを両立できているケースは少ないからこそ、私たちが実現したいと思っています。


――「GIFTFUL」というサービス名やロゴにはどのような想いを込めていますか?


GIFTFULロゴ

飯髙:
ハートフルの満ち溢れた想いだったり、ワンダフルの驚きだったり。贈り手の気持ちを届けることを⼤事にしたいし、受領者が受け取った時に最⾼の気持ちになってもらえることをロゴに込めています。

石塚:
GIFT「FUL」には、
・GIFTFULを通して、「ハートフル」な気持ちになって欲しい
・GIFTFULを通して、「ユースフル」なギフトを受け取って欲しい
・GIFTFULを通して、「ワンダフル」な体験を提供したい
・GIFTFULを通して、⼈⽣に彩り「カラフル」を提供したい
という想いを込めています。

ロゴの「U」には、
・紙袋の持ち⼿を表現(ソーシャルギフトサービスで直接の⼿渡しは少ないが、実際に相⼿に⼿渡しして贈る温かさ)
・ギフトを通して温かい体験が提供された結果としての笑顔
という想いを込めています。

「選び直し」が生むコミュニケーションと温かな人間関係


――魅力的だと思うGIFTFULの特徴はなんですか?

飯髙:
商品点数で勝負をしていないこと。贈り手が「素敵だな」と思ったものを選べることが、GIFTFULの強みです。ギフトシーンにマッチした厳選された商品を取り揃え、贈り手も受取手もワクワクしながら商品を選んでもらえるようにこだわりました。

石塚:
機能に関して言うと、GIFTFULには「選び直し」という機能を実装しています。贈り手が選んだギフトに対して、受け取り手は同価格以下のギフト候補からもらって本当に嬉しいギフトへ選び直しができるという仕組みです。

私自身、「相手にどんなギフトを贈ろうか悩んだ結果、結局贈るのをやめてしまった」という経験が多くあります。「選び直し」によって、人々がもっと気軽にギフトを贈り合えるようにしたい。それによって、ギフトの総量が増え、ギフトを介して人と人のつながりを増やすことができると思っています。

――「選び直し」はとても興味深い機能ですね。

石塚:
世の中のデジタル化の例にもれず、ギフトサービスもとても便利になりました。LINEやSNSを介した、「ソーシャルギフト」というサービスも出てきています。しかし、ギフトを取り巻く利便性は増しているはずなのに、ギフトを贈る回数は全体ではそこまで増えていません。ギフトによる体験も、劇的によくなったとは言えない気がします。

もっとギフトを贈りやすくして、ギフトによって人間関係が豊かになる体験は何かを考えた結果、「選び直し」に至りました。

飯髙:
「選び直し」は、贈り手にも受け取り手にもいい機能だと思っています。実際に限定版でのお客様利用人数103人において、選び直し率は57%と半数を超えていました。

贈り手の場合、家族や恋人など親密な間柄であっても、ギフトを贈る時はそれが100%正しい選択か不安です。悩みに悩んだ結果、結局無難なものを贈るということも珍しくありません。選び直しがあれば、仮に料理が趣味の人に対して、「このオリーブオイルを贈ってみよう」というチャレンジができます。

それに対して、受け取り手は自分の本当に欲しいものを選べます。ギフトシーンですごく悲しいのは、もらったものが趣味に合わないけれど、捨てるのも悪いしと棚の奥で眠ってしまうことです。無難なギフトをもらったはいいものの、誰からもらったか思い出せないということもあります。

私の家にも、ギフトでいただいたシャンパングラスが眠っています。同じブランドのグラスが5セットありますが、使わずにしまってあるんです。選び直し機能があれば、贈り手からの気持ちももらいつつ、自分の欲しいものをいただくという、最良なギフト体験ができるんです。

――商品を自由に選べるという点では、カタログギフトも同じではないでしょうか?

飯髙:
カタログギフトとの違いは、贈り手が「ギフトを選ぶ」という手順を踏んでいる点にあります。それによって、贈り手と受け取り手のコミュニケーションが生まれやすくなるんです。

石塚:
GIFTFULでは、ギフトを介して人との関係性が豊かになるという観点を重視しています。

例えばある贈り手が、相手にねぎらいの気持ちを込めてお菓子を贈りました。相手はお菓子もよかったんですが、お酒好きなのでビールをギフトに選びました。

GIFTFULでは、贈り手は受け取り手が何を選んだのか知ることができます。贈り手はそれを見て、「この人はお酒が好きだったんだ」という新しい発見を得られるし、受け取り手は相手のねぎらいの気持ちを、ありがたいと思うはずです。

「お菓子とても嬉しかったですが、お酒が好きなのでビールにさせてもらいました!」というやりとりも発生します。そうやって、ギフトを介してのコミュニケーションが生まれるんです。

――「相手のことを思って、悩みつつ一つのギフトを選んだ」という行為が、贈り手にも受け取り手にも大切なコミュニケーションを生むのですね。

多くのメーカー様と想いでつながることができた


――GIFTFULを立ち上げる上で、特に大変だったのはどんなことですか?

石塚:
「ギフト商品をどう取り揃えるか」にはすごく苦労しました。

サービスを立ち上げる段階から、二人で「上質でギフトにマッチしたブランド、商品をしっかり厳選しよう」というのは決めていました。とはいえ、スタートアップで信頼がないところからのスタートなので、すべてが手探りの状態でした。

飯髙:
デザインイメージも何もない、二人の想いだけで始まったサービスでしたからね。正直、断られてしまったメーカー様も少なくありません。その中でも、想像以上に多くのメーカー様が「思想や考えが面白い」と賛同してくださったのは、すごく嬉しかったです。

賛同してくださったメーカー様が、今のギフト市場への課題で同じ意見を持っていたのも印象的でした。何者でもない私の話を聞いて、他のブランド様を紹介してくださった方もいました。

――想いの連鎖反応が起きたのですね。

石塚:
新会社の新サービスに、大切な自社商品を掲載するのはすごくリスクが高いと思うんです。サービスのクオリティも、サイトデザインも完全に不透明。他にどんなブランドが掲載されるかも分かりませんから。

こんな状態で、世界観や想いに共感して掲載を快諾いただいたメーカー様には、感謝してもしきれないです。だからこそ、サイトの体験価値や世界観作り、デザインのクオリティはとにかくこだわりました。

飯髙:
開発という点では、最初の仲間集めがすごく大事だよねと悠悟とは話していました。ここは苦労もありつつ、すごく楽しかったです。そのおかげか、創業初期からジョインしてくれているCTOの五島を含め、本当にいい仲間に恵まれました。

――ちなみに、選び直しの機能はメーカー様にどう受け止められましたか?

飯髙:
マイナスの話題が出ることは、ほぼありませんでしたね。あるメーカー様には、「お客様に自社ブランドを贈ることがよくありますが、別の商品に切り替えられるという選択肢を用意できるのはいいですね」と言われたくらいです。

石塚:
私は、選び直しはメーカー様にも長期的にはプラスに働くと思っています。メーカー様がもっとも避けたいのは、「自社ブランドを欲しいと思っていない人、手元にあっても使わない人に届いてしまった」というシーンです。こういうことが起こると、ブランドの体験やイメージ自体が悪いものになってしまい、将来の選ばれる選択肢からも外れてしまいますから。

ギフトを介して温かみのある日常を


――GIFTFULをどんな人に使ってほしいですか?

石塚:
私のように、人に何かを贈るときに考え込んでしまう方にGIFTFULを使ってほしいですね。私⾃⾝、考えすぎてギフトを贈れなかった経験が過去たくさんありました。ギフトを贈りたいと思っているけれど、考え悩んでしまっている人がいたら、ぜひGIFTFULをのぞいてみてください。

飯髙:
誰かを想い「あの人にギフトを贈りたいな」と思った方全員に、ぜひ使ってほしいです。その想いに応えられるような商品を、どんどん取り揃えていきたいですね。選び直し機能もあるので、ちょっとしたチャレンジ精神で贈り物を選んでみるのもいいと思います。

――選び直しはぜひ使ってみたいですね。二人は今後、GIFTFULをどう育てていきたいですか?

飯髙:
皆さんが「GIFTFULを見るとワクワクする」と思えるような状態を、実現したいです。そのためにも、まずは誰もが使いたくなるギフトサービスとして、GIFTFULをいいものに育てていきたいです。

石塚:
サービスをよくしていきつつ、ギフトを通して人間関係や人生の豊かさを広げること・深めることを追求していきたいです。

・GIFTFULで、今まで贈れなかった相手にギフトを贈れるようになった
・GIFTFULで、家族や友人、仕事関係での交流が深まった

こうした体験から、人生に彩りが増した・豊かになったと思っていただけるような、ユーザーの生活に欠かせないサービスに育てていきたいです。

飯髙:
ギフトを贈るシーンは、誕生日や祝い事など決まっていますが、GIFTFULで「気持ちを届けたい」と思えるシーンが増えるとすごく嬉しいですね。

GIFTFULが存在することで、デジタル化が進んでも「ありがとう」や「笑顔」といった、温かみのある日常はここにちゃんとある。そう感じられる社会を作っていきたいというのが、今の二人の想いです。

飯髙・石塚正面に笑いかける様子


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